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COLUMN

健康経営を支える体制づくり|リソース不足を解消するには

 健康経営優良法人2027の申請受付が始まっています。認定を目指す組織では申請の準備が進められているところではないでしょうか。健康経営はじめ従業員が健康に働ける環境づくりは長期的な取り組みです。2028年度に予定されている健康経営優良法人の要件改定も見据えて、今後の取り組みを支える体制について考えてみませんか。

「健康経営優良法人」とは

 健康経営とは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することとされています。この方針を理解し実践している法人を対象に平成26年度に「健康経営銘柄」の選定が、平成28年度に「健康経営優良法人」の認定がスタートしました。大規模法人部門のホワイト500に加え、令和3年には中小規模法人部門のブライト500の認定もスタートしています。健康経営に戦略的に取り組み認定を受けた組織であれば、法人規模を問わず「健康経営優良法人」として社会的な評価が受けられる環境が整備されています。

(出典)
経済産業省ウェブサイト 健康経営
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

健康経営の顕彰区分

 健康経営の顕彰制度には大規模法人向け、中小規模法人向けにそれぞれ3つ、合わせて6つの区分が設けられています。選定対象となるのは「健康経営度調査」への回答(大規模法人)、「健康宣言」への取り組み(中小規模法人)を行った法人です。

<大規模法人向け顕彰区分>
□健康経営銘柄           ・・・ 健康経営を普及拡大していく「アンバサダー」
□健康経営優良法人(ホワイト500) ・・・ 健康経営優良法人の上位500法人
□健康経営優良法人         ・・・ 健康経営の考え方を普及拡大していく「トップランナー」

<中小規模法人向け顕彰区分>
□健康経営優良法人(ブライト500)     ・・・ 健康経営優良法人の上位500法人
□健康経営優良法人(ネクストブライト500) ・・・ 健康経営優良法人の上位501~1500法人
□健康経営優良法人             ・・・ 個社に合った優良な取組を実施する法人

(出典)
健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営(日本経済新聞社)」
https://www.kenko-keiei.jp/

従業員の家族や自社従業員以外への健康支援も認定要件に

 健康経営優良法人2027の認定要件には前年度から整理・改定された箇所があります。ホワイト500の要件項目「他社からの派遣社員等や家族への健康支援」もそのひとつです。

<他社からの派遣社員等や家族への健康支援>
a.他社からの派遣社員や常時使用しない従業員等への健康支援
b.従業員の家族が利用できる健康支援・制度

今年度はa.b.いずれかの実施が要件となっていますが、2028年度はa.b.2つの項目とも実施していることが認定要件となる見込みです。
 「健康経営優良法人」の認定を受けるかどうかに関わらず、従業員等の健康管理を経営的な視点で捉え具体的な施策を実践し続けるには、時代のニーズに合った柔軟な対応が求められます。ここで気を付けたいのが実務担当者のバーンアウト(燃え尽き症候群)です。何をするかという実施項目のみに着目して施策を立てると、それを担う担当者の業務負荷を高め、思うような成果につながらない残念な結果になりかねません。

留意したい担当者のバーンアウト(燃え尽き症候群)

 バーンアウト(燃え尽き症候群)は、それまで熱心に仕事に取り組んでいた人が急激に意欲を失ってしまう状態です。ミスが増えたり人との接触を避けたりといった症状が見られるようになります。バーンアウトを引き起こす要因には個人の特性もありますが、働く環境も影響するといわれています。

頑張り過ぎてしまう人

 バーンアウトに特に注意して欲しいのは、頑張り過ぎてしまう人です。一方で、仕事なのだから頑張るのは当然という考え方もあるでしょう。
 ここで“頑張る”の意味を改めて見てみましょう。デジタル大辞泉には「困難にめげないで我慢してやり抜く。」とあります。同じように“過ぎる”の意味を見てみると「行為・状態などが度をこえている。はなはだしく…する。または、はなはだしく…である。」とあります。これら2つの意味をまとめると“頑張り過ぎ”とは困難にめげないで我慢してやり抜く状態が度をこえている、といったところでしょうか。
 心や体にとって適切な頑張り度合いは人それぞれです。その人にとって適切な度合いを超えてしまうと心身に不調が表れます。仕事をする上で頑張る姿勢は大切ですが、健康を損ねるような過度な頑張りは本人にとっても組織にとってもマイナスでしょう。

頑張り過ぎに気づくポイント

 上司や部下、同僚からは頑張り過ぎて無理をしているように見えても、本人は頑張り過ぎを認識していないケースも少なくないようです。当社でお受けするご相談でも、真面目で責任感の強い人ほどその傾向が強いようです。
 心身に表れやすいのは体の痛み、長引く疲労感、疲れているはずなのに眠れない、集中力が落ちて考えがまとまらない、焦りや不安が消えない、好きなこともやる気が起きないといった症状です。日常生活に何らかの支障が出ているようなら頑張り過ぎの領域に入っている可能性が高いでしょう。業務負荷の調整や産業医との面談を勧める等、早めの対処が必要です。自分の体調は自分で管理するのはもちろんですが、従業員の健康を支える担当者を不調にさせないという視点も、健康経営に取り組む上では重要かもしれません。

バーンアウトを防ぐ

 バーンアウトを引き起こす職場環境要因のひとつが業務負荷の高さです。業務量の増加にともなって高まる負荷をカバーするには、どのような方法があるでしょうか。

業務負荷をカバーする3つの方法

□人員を増やす
採用もしくは社内調整によって人員を増強します。新規採用の場合は、採用コストに加えて育成にかかる時間も考慮しておく必要があります。長期的な採用・配置計画があれば計画に則って進められていくので、タイムリーな増強は難しいかもしれません。

□業務を効率化する
ムダ・ムラ・ムリをなくして業務を効率化します。生産性を低下させずに業務時間を短縮する効果が期待できるでしょう。業務を棚卸して平準化・標準化していく作業となるため、対象となる業務によっては完了までに一定の時間を要します。

□ITを活用する
業務の効率化にITを活用します。AIの普及によって業務の効率化は飛躍的に進むようになりました。反面、使い方によっては情報漏洩などのリスクが高まる危険性もあります。AIを活用する際は組織内の規定や規則をよく確認しましょう。

リソース源を拡げるという選択

 業務量の増加によって高まる担当者の負荷軽減には、社外の専門機関を活用するという方法もあります。リソースを社外に拡げることで社内担当者は本来やるべき業務に注力できます。また、手が届きにくい遠方の拠点やグループ会社までカバーした体制構築も可能です。個人のプライバシーに関わる情報の取り扱いもノウハウを蓄積している専門機関であれば安心です。社外リソースの活用は従業員の健康管理をより戦略的に実践し、継続していくための選択肢となるでしょう。
 社外リソース活用にあたっては、社内担当者の理解が得られず話が進まないという声もお聞きます。社内担当者が仕事を抱え込んでしまうケースもあるようです。このようなケースでは、リソース源を拡げる目的をしっかりと話し合う必要があるかもしれません。社外リソースを活用する場合でも社内で担当した方が良い業務はあります。社内の担当部門と社外の専門機関が互いの役割を理解した上で連携する体制ができれば、施策の幅も広がるでしょう。

【まとめ】社外機関の活用でリソース不足を解消

 この記事では、健康経営を支える体制づくりのヒントを紹介しました。
「健康経営優良法人」の認定を受けるかどうかは法人それぞれの考え方があるでしょう。しかしながら、従業員が健康に働ける環境づくりは組織に共通する課題と言えるのではないでしょうか。長期的な取り組みを支える体制を維持していくにはリソースの確保が必要です。新たな人材の確保が難しくなりつつある昨今、社外の専門機関を活用する方法も選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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(この記事は公認心理師が作成しました)